キャンプでパン作り!5つの調理道具の焼き方を解説

キャンプでパン作り!5つの調理道具の焼き方を解説

2021.9.9

キャンプでパンを焼きたいけれど、「どうやって焼くんだろう」「難しそう」って思いますよね。本来はオーブンで焼き上げるパンですが、実はいろんな調理器具で簡単に焼けちゃうんです。今回はキャンプというシチュエーションで、簡単にできるパンの焼き方を解説します。

キャンプでのパン作りはダッチオーブンを使った焼き方が王道ですが、その他にも、キャンパーにはおなじみの調理器具でも焼けます。

この記事では

  • キャンプでパンが焼ける5つの道具の紹介
  • キャンプでのパン作りを簡単にする4つのコツ
  • パン生地の作り方
  • 5つの調理道具別のパンを焼く方法

ダッチオーブン、スキレット、フライパン、メスティン、木の棒で焼く方法を解説しています。読み終えていただければ、お持ちの調理器具でパンが焼けるようになります。ぜひ、次のキャンプで取り入れてみてください。

1.キャンプでパンが焼ける5つの道具


キャンプでパンを焼く際に使う調理器具で一番メジャーなのは、ダッチオーブンですが、実はその他にも次の道具でパンは焼けます。

・ダッチオーブン
キャンプでオーブン調理をする際の王道な調理器具。フタの上に炭を置くことで、オーブンのような使い方ができるため、パンがおいしく焼けます。

・スキレット
フタ付きのものであれば、ダッチオーブンと同じ様にフタの上に炭を置けるので、パンを焼きやすいです。フタがない場合は、同サイズのスキレットを上から被せてフタ代わりにしてもOK。

・フライパン
一般的なフライパンでもパンをひっくり返しながら火を入れれば、焼き上げられます。フタがないスキレットの場合も、フライパンと同じような焼き方が可能です。

・メスティン
四角い形状をうまく使って、上下左右から火を通すことでパンを焼けます。小さな食パンのようなフォルムになり可愛く仕上がります。

・木の棒
木の棒にアルミホイルを巻き、その上からパン生地を巻き付けて焚き火であぶることで、パンを焼けます。家族や仲間と一緒に楽しめるのもポイント。

「ダッチオーブンは持っていない」という人でも、お持ちの調理器具で手軽にできるので、キャンプ飯のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。

生地作りや焼き上げなど、キャンプでのパン作りは体験としても楽しいものです。2章以降で詳しく解説していきますので、仲間や家族でチャレンジしてみましょう。

2.キャンプでのパン作りを簡単にする4つのコツ


キャンプでのパン作りは、自宅と違って環境が整っていません。この章ではキャンプ場でより簡単にパンを作る4つのコツを紹介します。
 

材料をあらかじめ自宅で測って持っていく


キャンプ場に計りを持ち込んで、分量の材料をそろえるのは一手間です。環境が整った自宅で材料をあらかじめ測って持ち込めば、現地では混ぜるだけになるので手間が省け、時短にも。
 

ジップロックなどの密閉袋に入れてこねる


パン生地を作る際に、材料をジップロックなどの密閉袋に入れてこねると手が汚れません。野外で手で混ぜるより衛生的にもいいでしょう。
 

自宅で生地を作って冷凍して持っていく


パン生地を自宅で途中まで作ると、現場での作業がぐっと楽になります。一次発酵を終えて生地を小分けにしてから冷凍して持っていき、キャンプ場で二次発酵からスタートさせます。

<一次発酵と二次発酵について>
・一次発酵
・ベンチタイム
・二次発酵
・焼き上げ
パン作りでは上記ように生地を2回発酵させることで、ふっくらした焼き上がりにつながります。詳しい作り方は、3章のパン生地の作り方をご覧ください。

<生地を凍らせた場合の解凍方法>

パン生地を凍らせて持ち込む場合は、クーラーボックスに入れて運びましょう。現場についたらクッキングシートを敷いたダッチオーブンに生地を並べて、ラップをかけて自然解凍させてください。解凍時間の目安は以下の通りです。季節や気温で調節してください。

 

・気温が高い夏場:日陰で解凍2時間程度

・気温が低い冬場:日の当たる場所で解凍3時間程度

 

全体が柔らかくなり、解凍できたらそのまま二次発酵させてください。

 

熾火で焼き上げる


ダッチオーブンやスキレットでパンを焼くときは、熾火(おきび)を使います。熾火とは薪や炭が炎をあげずに、芯が赤くなっている状態です。薪を燃やしていけば作れます。燃えている薪より、安定した熱を伝えられ、パンを焼きやすいです。

3.【5つの焼き方共通】パン生地の作り方


焼き方は違えど、パン生地は同じものでOKです。キャンプでパンを焼く際の生地の準備の参考にしてください。

<必要な道具>
ボウル
バット

ラップ
クッキングシート
 
 <材料>
強力粉・・・300g
砂糖・・・24g
塩・・・3g
牛乳・・・120ml
卵 ・・・中1個
バター・・・60g
ドライイースト・・・3g

材料は10インチのダッチオーブンで焼き上げるくらいの分量です。調理道具によって分量を調整してください。

1.粉類を混ぜ合わせる


強力粉・塩・砂糖・ドライイーストをボウルに入れ、箸などでよく混ぜる。

2.人肌に温めた牛乳と卵を混ぜる


牛乳と卵を混ぜて鍋に入れて火にかけ、人肌くらいに温めたあとに、1に加えて手でこねる。

3.バターを加えて混ぜる


ある程度まとまったら常温に戻したバターを加え、再度しっかり手でこねる。
 

4.2倍に膨らむまで40分程度一次発酵させる


バターがなじんだら生地をきれいに丸め、バットなどに並べてラップをふんわりとかぶせ、2倍に膨らむまで40分程度一次発酵させる。

5.穴を開けて塞がらなければ一次発酵完了


強力粉(分量外)をつけた指で穴を開け、穴が塞がらなければ一次発酵完了。


<発酵の環境について>

発酵は30〜40度程度の温度が必要で、5度以下で止まると言われています。また、イースト菌は60℃以上になると死滅してしまいます。季節や気温で条件が変動するので、以下を参考に生地の様子を確認しながら発酵させてください。

 

・夏など気温が高い日:直射日光だと温度が上がりすぎてしまうので日陰で発酵させましょう。

・冬など気温が低い日:ダッチオーブンを火にかけ温めてから(指で触れるくらい)火から外して、生地を入れ発酵させましょう。なるべく日向に置いてください。


6.生地を丸めてベンチタイム


生地を9等分(1個60g前後)にして丸める。バットなどに並べてラップをかぶせ、15分程度おく。(ベンチタイム)

7.軽く潰してガスを抜く


ベンチタイム後、生地をひとつずつ手で軽く潰しながらこねてガスを抜き、再び丸く成形する。
 
自宅で生地を作って冷凍する場合は、ここまで完了させてパン生地を冷凍し、現場で自然解凍してから、工程8に進む。

8.調理器具に生地を置いて二次発酵


クッキングシートを敷いたお持ちの調理器具に生地を並べ、ラップをして2倍に膨らむまで40分~50分生地を二次発酵させ、生地が2倍程度に膨らんだら生地作りは完了。

9.焼き上げる

4章以降で紹介している調理器具ごとの焼き方でパンを焼く。

4.5つの調理道具別キャンプでパンを焼く方法


パンを焼いたことがないと「難しそう」と思いがちですが、意外と簡単です。ここでは調理道具ごとに基本の焼き方を紹介しますので、一度焼いてみて自分なりにコツを掴んでアレンジしてみてください。

ダッチオーブンで焼く基本のパン


<必要な道具>
ダッチオーブン
焚き火台
薪(炭)
クッキングシート
耐熱グローブ

 <材料>※10インチのダッチオーブンで焼き上げるくらいの分量
強力粉・・・300g
砂糖・・・24g
塩・・・3g
牛乳・・・120ml
卵 ・・・中1個
バター・・・60g
ドライイースト・・・3g

<焼き方>
1.クッキングシートを敷いたダッチオーブンに生地をふちにそうように並べ、ラップをして2倍に膨らむまで40~50分生地を二次発酵させる。


2.焚き火台の炭(熾火)にの上(焚き火スタンドなどで遠火にするのがおすすめ)にダッチオーブンをのせ、フタの上にも炭(熾火)を置く。


3.10〜15分くらい焼き、中の様子を確認していい色に焼き上がったら完成。

<ポイント>
焼くときのポイントは下火は鍋底に火を当てないように遠火、フタの上は炭を置きすぎないようにすること。フタの上に炭を山盛りにしてしまうと表面だけ焦げ、中が生焼けになるので注意してください。

▼レシピページはこちら

スキレットで焼く基本のパン


<必要な道具>
スキレット
焚き火台
薪(炭)
クッキングシート
耐熱グローブ

<材料>※直径約18cmのスキレット1回分
強力粉・・・150g
砂糖・・・12g
塩・・・1.5g
牛乳・・・60ml
卵 ・・・中1/2個
バター・・・30g
ドライイースト・・・1.5g

<焼き方>

1.クッキングシートを敷いたスキレットに生地をふちにそうように並べ、ラップをして2倍に膨らむまで40~50分生地を二次発酵させる。

2.焚き火台の炭(熾火)の上(焚き火スタンドなどで遠火にするのがおすすめ)にスキレットをのせ、フタの上にも炭(熾火)を置く。

3.10〜15分くらい焼き、中の様子を確認していい色に焼き上がったら完成。

※フタがない場合は、同サイズのスキレットをフタ代わりにするか、「フライパンで焼く基本のパン」と同じような焼き方をしましょう。

<ポイント>
焼くときのポイントは下火は鍋底に火を当てないように遠火、フタの上は炭を置きすぎないようにすること。フタの上に炭を山盛りにしてしまうと表面だけ焦げ、中が生焼けになるので注意してください。

▼レシピページはこちら

フライパンで焼く基本のパン


<必要な道具>
フライパン
フタ
ガスコンロ
クッキングシート
耐熱グローブ

<材料>※直径約26cmのフライパン1回分
強力粉・・・300g
砂糖・・・24g
塩・・・3g
牛乳・・・120ml
卵 ・・・中1個
バター・・・60g
ドライイースト・・・3g

<焼き方>

1.クッキングシートを敷いたフライパンに、生地をふちにそうように並べ、ラップをして2倍に膨らむまで40~50分生地を二次発酵させる。

2.フタをして(ない場合はアルミホイルを被せて)弱火で10分程度焼く。

3.生地をクッキングシートごとスライドさせて一度フライパンから出す。

4.生地の上にクッキングシートを被せ、その上からフライパンを被せ、上下を返し生地をひっくり返す。

5.フタをして(ない場合はアルミホイルを被せて)弱火で10分程度焼く。

<ポイント>
焼くときのポイントは、底が焦げないように弱火でじっくり焼くこと。中が見えるフタを使うと焼き加減が見えて便利です。

▼レシピページはこちら

メスティンで焼く基本のパン


<必要な道具>
メスティン
ワンバーナー
クッキングシート
耐熱グローブ

<材料>※レギュラーサイズのメスティン1回分
強力粉・・・150g
砂糖・・・12g
塩・・・1.5g
牛乳・・・60ml
卵 ・・・中1/2個
バター・・・30g
ドライイースト・・・1.5g

<焼き方>

1.クッキングシートを敷いたメスティンに、生地を並べ、ラップをして2倍に膨らむまで40~50分生地を二次発酵させる。

2.生地に上からもクッキングシートを被せてフタをする。

3.とろ火〜弱火で5分程度焼く。ハンドルは溶けてしまうので、外して調理してください。

4.メスティンの上下を返し、とろ火〜弱火で5分程度焼く。メスティンの左右面も、それぞれとろ火〜弱火で5分程度焼く。

<ポイント>
焼くときのポイントは、弱火で上下左右をひっくり返しながら焼くこと。どこかの面が焦げてきたら別の面を焼いて中まで火を通すようにします。中につまようじを刺してみて生地がくっつかなければ焼けた合図です。可能ならばハンドルが付いていた面と、その反対の面も、耐熱グローブをつけた手で支えながら火をいれましょう。

▼レシピページはこちら

木の棒に生地を巻いて焼く基本のパン


<必要な道具>
木の棒
耐熱グローブ

<材料>※2回分
強力粉・・・150g
砂糖・・・12g
塩・・・1.5g
牛乳・・・60ml
卵 ・・・中1/2個
バター・・・30g
ドライイースト・・・1.5g

<焼き方>
1.ボウルなどに生地を置き、ラップをして2倍に膨らむまで40~50分生地を二次発酵させる。
2.生地を細長くして、アルミホイルを巻いた木の棒に巻きつける。
3.棒を回しながら熾火で焼く。

<ポイント>
火に近づけすぎると焦げてしまうので、20〜30cm程度離して焼くようにしましょう。

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5.お持ちの道具でキャンプパンにチャレンジ!


最後にこの記事のポイントをまとめます。

  • パンは5つの道具で焼ける
  • 4つのコツでもっと簡単

ダッチオーブンだけでなく、誰しもが持っているような道具でパンは焼けちゃいます。意外と簡単なので、ぜひ次のキャンプでチャレンジしてみてくださいね。

WRITER PROFILEライタープロフィール

ソトレシピ編集部
キャンプ料理と日々向き合いながら、レシピやお役たち情報を発信しています。ぜひ、みなさまのキャンプの参考にしてください。

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