ダッチオーブンでピザ作り!生地、ソース、焼き方のポイントを丁寧に解説
キャンプでピザを作るときに真っ先に思い浮かぶ調理器具がダッチオーブン。火加減や焼き方など、いざやろうとするとどのようにすればいいか悩みますよね。
ダッチオーブンでのピザ作りを成功させるにはポイントがあり、ポイントさえ押さえれば、まるでピザ窯で焼いたような外はパリッと、中はもちもちな本格的なピザを焼けます。
この記事では
- ダッチオープンを使ったピザ作り5つのポイント
- ピザ生地の基本の作り方
- 王道のピザソース3種の作り方
- ダッチオーブンを使ったピザの焼き方
を紹介しています。
簡単にできるピザ生地と3種のソースの作り方と、ダッチオーブンを使ったピザの焼き方を写真付きで丁寧に解説しています。読み終えていただければ、次のキャンプでピザ作りを実践できますよ!ぜひ参考にしてください。
1.ダッチオープンを使ったピザ作りの5つのポイント
キャンプでダッチオーブンを使ってピザを作るのは難しそうと思われがちですが、いくつかポイントを押さえれば、簡単においしいピザが焼けます。ここではキャンプでピザを焼くときに知っておくと便利な5つのポイントを紹介します。
生地やソースを自宅で作って持っていく
キャンプ場で生地から作ると時間や手間がかかるので、自宅で仕込んでいくのをおすすめします。外で生地をこねるのは手やテーブルが汚れるので、初心者のうちは生地やソースは自宅であらかじめ作って、冷凍して持っていくといいでしょう。
■自宅で生地を仕込んで持ち込む場合
2章で紹介する生地の作り方の工程7の後に、ラップに包み冷凍し、クーラーボックスなどでキャンプ場に持参し、自然解凍させましょう。
■ソースを自宅で仕込んで持ち込む場合
冷凍用のジップロックなどの密閉できる袋かタッパーにソースを入れて冷凍し、クーラーボックスに入れてでキャンプ場に持参し、自然解凍させます。袋に入れる場合は漏れないように袋を二重にしましょう。
現地での生地作りは密閉袋を活用
キャンプ場で生地を作る場合は、ジップロックなどの密閉袋に材料を入れて混ぜると手が汚れずにすみます。洗い物も減るのでおすすめです。具体的なやり方は以下の通り。
1. 2章に記載の工程1〜3をビニール袋の中で行う。
2. 袋の口を少しだけ開けておき(イースト菌が呼吸できるよう)、2倍に膨らむまで一次発酵させる。
3. 2倍に膨らんだら袋にいれたまま、生地を軽くつぶすようにガス抜きをする。
4. ガス抜き後は2章に記載の工程7から基本の生地と同様に行う。
キャンプ場で粉類の分量を計るのは、風で飛ばされるなどやりずらいです。粉類はあらかじめ自宅で計量して、ひとつに混ぜて持っていけば、現場での作業が減り効率的ですよ。
ダッチオーブンをしっかりと余熱する
ピザ窯は約400度以上で、60〜90秒の短時間で焼き上げます。ダッチオーブンで焼く際もピザを入れる前に余熱して温度を上げておくことで、ピザ窯と同じような環境になり、短時間でパリッとピザを焼けます。
<ダッチオーブンの余熱の仕方>
1. 焚き火を熾火にする。
2. 熾火の上にフタをしたダッチオーブンを置き、フタの上にも熾火をのせる。
3. 10〜15分そのまま置いて余熱完了。
※熾火(おきび)・・・着火した薪や炭が炎を上げず芯の部分が真っ赤に燃えている状態。 炎が上がっていなくても遠赤外線で非常に高温。
底網とクッキングシートを使う
ダッチオーブンの底面にそのまま生地をのせると、火からの距離が近く生地に伝わり焦げやすくなってしまいます。焦げ付くのを防止するため、底網を置きその上にクッキングシート敷いて生地をのせると、生地が焦げにくくなります。
火加減はフタの炭を多めに
ピザをおいしく焼くには、下火よりも上火を強くするのがポイント。下火が強いと、底だけ焦げて生焼けになりがちです。写真のようにフタの上に多く炭を置くことを意識してください。
2.ピザ生地の基本の作り方8工程
焼き方は違えど、生地は基本的に同じものでOK。まずは基本のピザ生地の作り方を解説します。紹介するレシピはボウルひとつで作れてしまうので、道具をたくさん用意する必要がなく簡単です。
必要な道具
大きめのボウル
小鍋(シェラカップでもOK)
バーナー
ラップ
バット
生地作りで使う道具はたったのこれだけ!その他にめん棒があると生地を伸ばす際に役立ちます。
材料<4枚分>
★強力粉・・・150g
★薄力粉・・・150g
★ドライイースト・・・6g
★砂糖・・・6g
★塩・・・6g
お湯(約40℃)・・・200ml
オリーブオイル・・・30ml
打ち粉(強力粉)・・・適量
★の粉類は自宅であらかじめ測って、混ぜて持っていくとキャンプ場での手間が省けます。
1. ★の材料を混ぜる
ボウルに★の材料を入れ、手でよく混ぜ合わせる。
2. お湯とオリーブオイルを加え混ぜる
小鍋で温めた約40℃のお湯とオリーブオイルを加え、粉に水分をいきわたらせるように、まとまるまで手で混ぜる。はじめは手にくっつきますが、混ぜているうちに次第にまとまってきます。
3. なめらかになるまでこねる
粉っぽさがなくなりひとつにまとまったら、ボウルの中で生地を伸ばしたりたたきつけたりして、表面がなめらかになるまで5〜6分こねる。
4. ラップをかけて発酵させる
表面がつるっとした感じになったら、生地を丸くまとめ、ラップをかけて生地が2倍に膨らむまで常温で約1時間発酵させる。冬場は気温が低く発酵しづらいため、40℃程度のお湯を入れた一回り大きなボウルに生地を入れたボウルを浮かべておくとよい。
5. 生地に指をさして発酵具合を確認
指に小麦粉を軽くまぶし、生地に指をさして穴がふさがらなければ発酵完了。穴がすぐふさがる場合には、発酵不足なのでもう少し発酵させる。
6. 生地のガスを抜く
発酵が完了したら、生地を手のひらで軽くおさえガスを抜く。
7. 生地を4等分にして休ませる
生地を4等分し、丸めなおしたら、ラップをして15分休ませる(ベンチタイム)。
8. 生地を伸ばして成形する
手で生地を広げるように丸く伸ばしていき、ふちが少し厚くなるように整える。生地の厚さは2〜3mm、ふち部分が1cm程度が目安。
これで生地作りは完了です。焼き方は4章で焼き方を説明しています。お使いのダッチオーブンのサイズに合わせて、生地の分量や伸ばす大きさを調整しましょう。
3.王道のピザソース3種の作り方
ピザを焼く前に、次はピザソースを作りましょう。今回はトマト、バジル、ホワイトソースの3種を紹介します。お好みで使い分けてください。
基本のトマトソース
初心者の方は、まずは王道のトマトソースからチャレンジ!ここで紹介するトマトソースにチーズやベーコンなどお好きな具材をトッピングしてアレンジしましょう。
<材料>(4枚分)
オリーブオイル・・・15ml
にんにく・・・1片
トマト缶・・・400g
塩・・・3g
こしょう・・・少々
<作り方>
1. にんにくはスライスしておく。
2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火で香りが出るまで炒める。
3. トマト缶を加え、木べらでトマトを潰しながら3〜4分煮込む。
4. 塩こしょうで味を調えて完成。
■ケチャップを活用した時短ソース
時間がないときやぱぱっとソースを作りたい場合は、ケチャップをベースに作るのもあり。火を使わないお手軽ソースレシピを紹介します。
<材料>(1枚分)
オリーブオイル・・・15ml
にんにく(チューブ)・・・1cm
トマトケチャップ・・・50g
コンソメ(顆粒)・・・少々
塩こしょう・・・適量
<作り方>
材料をすべて混ぜ、塩こしょうで味を調えて完成。
基本のバジルソース
<材料>(4枚分)
バジル・・・50g
にんにく・・・1片
オリーブオイル・・・150cc
塩こしょう・・・適量
<作り方>
ミキサーにバジル、にんにく、オリーブオイルを入れ、なめらかになるまで撹拌し、塩こしょうで味を調えて完成。
基本のホワイトソース
<材料>(4枚分)
バター・・・50g
小麦粉・・大さじ4
牛乳・・・400ml
塩こしょう・・・適量
<作り方>
1. 鍋にバターを弱めの中火で溶かし、小麦粉を加え、粉っぽさがなくなるまで木ベラで混ぜながら炒める。
2. フツフツと泡が出てきたら牛乳を一気に加えて泡立て器でダマがないように手早く混ぜ合わせる。
3. とろみがつくまで混ぜながら加熱し、塩こしょうで味を調えて完成。
4.ダッチオーブンを使って焚き火でピザを焼く方法
それでは、ダッチオーブンを使ってピザを焼く方法を詳しく解説します。王道のトマトソースを使って、マルゲリータを作っています。
1. 熾火を作りダッチオーブンを余熱する
薪や炭を燃やし、熾火を作り、ダッチオーブンを上と下からしっかりと余熱しておく。フタにも炭を乗せて余熱する。ダッチオーブンが熱くなるので、フタを開ける際にはリフターを使うか耐熱グローブを着用し、火傷しないよう注意してください。
熾火(おきび)・・・着火した薪や炭が炎を上げず芯の部分が真っ赤に燃えている状態。 炎が上がっていなくても非常に高温。
2. クッキングシートの上にピザ生地を広げる
クッキングシートを大きめに広げ、その上でピザ生地をダッチオーブンのサイズより一回り小さいサイズに伸ばし、フォークで数カ所穴を開ける。クッキングシートが破れないように注意してください。
3. ソースと具材を生地の上に乗せる
ふちを1cm程度残しトマトソースを塗り、その上にモッツアレラチーズまたはピザ用チーズと、バジルを散らす。
4. ダッチオーブンにピザ生地を入れる
余熱したダッチオーブンに底網を置き、クッキングシートごとピザ生地を置く。
5. 熾火にダッチオーブンを置く
熾火の状態の焚き火台やBBQグリルの上に網を置き、ダッチオーブンを置く。
フタをして上にも炭を並べる。
6. 3〜5分焼いて完成
様子を見ながら3〜5分程度焼く。火力が強いと3分程度でも焦げる可能性があるので、生地の焦げる臭いがしていないか注意し、焦げた臭いがしたらすぐに中を確認する。3分経ったら一度フタを開け中を確認し、もう少しのようだったら再度フタを閉めさらに1〜2分焼く。
5.ピザ作りで思い出に残るキャンプに
最後にこの記事のポイントをまとめます。
■ダッチオーブンでのピザ作りのポイント
・生地やソースを自宅で作って持っていく
・現地での生地作りは密閉袋を活用
・ダッチオーブンをしっかりと余熱する
・底網とクッキングシートを使う
・火加減はフタの炭を多めに
■生地とソースの作り方と焼き方はこの生地を参考に
キャンプでのピザ作りは、ひとつのアクティビティのように楽しいです。家族や友人と一緒に作れば特別な思い出になると思います。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてください!
フライパンやスキレットなど、ダッチオーブン以外でもピザは焼けます。詳しく知りたい人は「キャンプでピザ作り!窯を使わない6つの定番調理器具の焼き方」をご覧ください!