「アメトーーク」(テレビ朝日系)の「キャンプ楽しい芸人」にも2年連続で出演し注目を集めているアウトドア芸人たけだバーベキューさん。
数々のキャンプ料理のレシピ本を出している彼の近著が「鉄板!BBQ焼きそば」(発行:ヨシモトブックス、発売ワニブックス)だという。
確かに、BBQでの焼きそばと言えば、〆の定番みたいなところがありますが、さすがにそれだけを1冊の本にするのは、初の試みではないでしょうか。
ということで、著者であるたけだバーベキューさんに直撃取材を行いました! 焼きそば本に込めた思いとは!? そしてオススメのレシピとは!!
編集部(以下「編」)「焼きそば本。他に類をみないですよね。しかもBBQというかなり限定的なテーマですが、企画はどのように決まったのでしょう?」
たけだバーベキュー(以下「た」)「これまではテーマというか企画をいただいてそれをレシピ化・書籍化することが多かったのですが、焼きそばについてはもう2年以上「やりたいやりたい」と言い続けていたら、ようやく「やりましょう」と重い腰を上げてくれたんです。僕発信の本がようやくできたんですよね」
編「焼きそばは、もともとお好きだったんですか?」
た「そうですね。関西の人間で僕くらいの世代はだいたいそうだと思いますけど、土曜日に吉本新喜劇に間に合うように家に帰ってきて、テレビを見ながら焼きそば(or焼き飯)を食べるのが定番でした」
「以前はただの〝麺好き〟でしたけど、たけだバーベキューを名乗るようになってからはBBQの機会が人より多くなったこともあって、〆で作る焼きそばにもアレンジをしていってレシピが増えていきましたね」
編「BBQにおける焼きそばの魅力とは?」
た「BBQだと、肉肉、野菜野菜で、炭水化物の出どころがあまりないんですよね。そこで手軽なところで焼きそばがちょうどよかったんだと思います」
「それに、3玉で100円くらいのコスパのよさとできあいのソースのクオリティが高いので、誰でも失敗しにくい点も〝BBQの〆=焼きそば〟が浸透している理由でしょう」
編「著書では54品もの焼きそばレシピが掲載されていますが、どのようにしてこれだけの数のレシピを開発されたのですか?」
た「先ほども言いましたが、僕は人よりBBQへ行く機会が多いので、その度にアレンジしたのもありますが、余ったりすることもあるので、それを持ち帰って家で新作を試したりもしますね」
編「レシピを考えるときは、どんな風に考えているのですか?」
た「パスタのレシピをヒントにすることが多いかもしれません。明太子とかペスカトーレとか、パスタでやってる味付けはだいたい焼きそばにも合うんですよね」
「あと、ご当地焼きそばなんかをヒントにすることもあります。結構焼きそばのレシピは日本全国にあるんですよ」
「本で紹介しているレシピも無理くり54品ひねり出した訳ではなくて、厳選して54品にしたくらいです」
編「BBQで焼きそばを振る舞ったときの、皆さんの反応はどうですか?」
た「僕とBBQに行く人は『たけだの今日の焼きそばはなんだ?』とか『今日はたけだ何してくれるんだ?』って楽しみにしてくれる人が多いんですよ」
「自分で言うのもなんですが、音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんとかは、僕の焼きそばの大ファンでいてくれて、家で再現してくれたらお子さんもありえないくらい食いつきがよかったとかで、いつも喜んでくれています」
「よく一緒にBBQに行く先輩の千原ジュニアさんとかサバンナの高橋さんも楽しみにしてくれてます。ジュニアさんが絶賛してくれたのはビーフンのレシピでしたけど(笑)」
「僕のBBQではいわゆる焼肉のタレとかは使わなくて、塩と胡椒とオリーブオイルとか、割とあっさりとしたシンプルな味付けのものが多いので、それで〆の焼きそばまでも楽しんでもらえてるってのもあるかもしれないですね」
編「ソトレシピ読者に向けて、特にオススメの焼きそばレシピを教えてください!」
た「ファミリー向けで一番オススメなのは『コクうまバター焼きそば』ですね。焼肉のタレとバターだけで作れるので非常に簡単です。子ども受けはダントツによかったですね」
「『はらこ焼きそば』は見た目もいいし焼きそばに見えないってことで好評でした。お子さんも喜んでくれてましたよ」
「BBQのときは一度鮭を焼いてほぐして骨を抜いて混ぜたりすることもありますが、手軽な鮭フレークを使うことで簡単に仕上げることができるんで、どなたでもマネできると思いますよ」
「それと『レモンペッパー焼きそば』もオススメです。BBQのゲストたちに『もうないんかい』って嘆かれたこともありますよ。ビールにも合うので、酒のつまみになる焼きそばです」
「ジュニアさんが褒めてくれたビーフンは『牛肉とほうれん草のオイスターソース焼きそば』に味が近いかもしれませんね」
編「誰でも失敗をしにくい焼きそばですが、ゲストに喜ばれる焼きそばを作るコツを教えてください」
た「味付けはソースがやってくれるんで間違いないと思いますが、課題は火加減ですね」
「〆で焼きそばを食べるってなると、だいたい炭の火力も弱ってきているんで、火が通ってなかったり、水を入れすぎてぶよぶよになることがありますよね」
「できれば〆でも火力は再度上げて、しっかりと焼くといいですね。僕のレシピでも外で作る料理ですから作り方や味付けはシンプルにしているので、火加減・焼き加減に集中してもらえればうまくいくと思います」
編「〆で作るとなると、皆さんのお腹の具合にもよるので、作る分量を間違えたりしないですか?」
た「本でも書きましたが〝BBQ焼きそばの量の法則〟というのがありまして『人数×0.6=用意する麺の玉の量』というのが僕の中でのルールです」
「これは焼きそばの分量に限りませんが、BBQのとき、食材を余らせるのがイヤなんですよね。かと言って、誰かがまだ腹減っているのに食材を切らしたってのはホストとして申し訳ないですし」
「だから、ぴったりなくなるくらいの量を買い出すようにしています。〝腹一杯でクーラーボックスは空〟を目指して毎度BBQしますね」
編「例えば肉の分量とかはどのように計算していますか?」
た「肉でいったら1人200〜300gくらいですかね。野菜は多めに買っています。BBQのときのほうが年齢関係なく普段より食べる人が多いと思いますよ」
「それを踏まえての『人数×0.6=用意する麺の玉の量』なんで、〆で焼きそばを作ってみようって人は、ぜひ一度試してみてください」
編「お話を聞いていたら、普通に焼きそばを食べたくなってきました(笑)。最後に、ソトレシピフォロワーに一言お願いします」
た「BBQでできあいのソースで焼きそばを作っていてマンネリを感じている人には、試してもらいたいレシピばかりなんで、ぜひ読んでもらいたいですね」
「BBQで焼きそばというと鉄板が必要なんじゃって思われるかもしれないですけど、フライパン一つあれば十分なんで、用意するものなんてたいしてないんです」
「お酒飲んだ後の〆のラーメンだとか、日本人ってなぜか〆を重要視する人種なんで、BBQやキャンプ料理の〆にもぜひこだわっていただきたいですね」
「そして、日本の焼きそば文化が世界に飛び立っていくことを願っています。圧倒的にパスタに負けているんで(笑)」
撮影協力:三輪友紀(スタジオダンク)