災害時にも役立つ!野外での食器洗いテクニック

災害時にも役立つ!野外での食器洗いテクニック

2022.2.1

キャンプやバーベキューでの洗い物って、皆さんどうしていますか? もちろん炊事場で行う人がほとんどだと思いますが、ここでは炊事場に行かずとも洗い物ができてしまう方法を紹介します。これって実は災害時にも役立つテクニックなのです。

キャンプでこそ食器洗いは疎かにしてはいけない

洗い物を面倒に感じるのはキャンプやバーベキューでもなおのこと。しかし、キャンプで晩餐後の食器洗いを怠ると、翌朝とても後悔することになります。キャンプではタレやソースを使った汚れ物が残りやすい料理も多く、キャンプに持ち込んだ洗剤やスポンジでは、こびりついた汚れは落ちにくいもの。冷たい水で延々とゴシゴシ洗うのは大変だし、炊事場だって共有スペース、いつまでも占拠するわけにもいきません。他にも撤収作業はありますし、洗い物だけにいつまでも時間をかけていられないものです。また、雨の日などは炊事場に行くのも億劫ですよね。
ソトレシピでは、雑誌や書籍などでもあまり触れられることのない食器洗いに注目。ソトレシピシェフの寒川せつこさんに、キャンプサイトでもできる食器洗いの方法を教えてもらいました。

水を使う前に必ずしておきたいこと


食器洗いの方法において、キャンプ場で大切なのは、「事前に拭いておくこと」だそうです。
せつこさん 「キャンプ場の炊事場で、残り物などで詰まっているのを見かけることってありませんか?“残り物を捨てないように”って注意喚起されてはいても、炊事場で捨てられていることがありますよね。これって、キャンプ場の人にも申し訳ないし、次に使う人も迷惑しますよね。なので、炊事場に食器や調理器具を持っていって洗うときは、残り物は自分たちのサイトで捨ててからにしましょう。そのためには、事前にキッチンペーパーなどで拭いておくこと。こうすることで炊事場に行ってからの食器洗いもとてもラクになりますよ。」
確かに、朝になって炊事場に食器を洗いにいくと、これでもかって残り物が詰まっていたりして、ひどくいやな気持ちになったりしますよね。事前に捨てておけば自分も洗うのもラクだし短時間できそう。同じキャンパーにも迷惑をかけずにすみますね。
せつこさん 「それも、食事後すぐにやっておくことをおすすめします。晩ごはんを食べた後、そのまま寝ちゃうと、汚れ物は乾いて拭くくらいじゃ落ちにくくなってしまうので。」
キャンプの夜は、ついついお酒も進んじゃって、面倒くさくなって洗い物はそのままにして寝てしまうことが多いですよね。そして、朝起きてテーブルの上の汚れた食器や調理器具を見て、いつもげんなりしています。

テントサイトでもできる食器洗いの方法


事前にキッチンペーパーで拭くこと。こんな簡単なことですが、やっておくだけで食器洗いがかなりラクになることがわかりました。ここからは、その方法を応用して、炊事場に行かなくても食器洗いができる方法を紹介してもらいます。
せつこさん 「これからお見せするのは、アウトドア用のたためるキッチンシクを使っての、食器洗いの方法です。キャンプやバーベキューでここまですることはないと思いますが、この方法を知っておけば、例えば災害時に避難生活を余儀なくされたときでも、貴重な水を節約しながら食器を洗うことができます。」
まずは写真のように、アウトドア用のキッチンシンクを3つ用意します。これは必ずキッチンシンクが3つ必要なわけではなく、大きめの鍋やバケツなどでも代用できます。

3つのシンクそれぞれに水を貯めて、スポンジと洗剤を用意します。

1つ目のシンクに洗剤を溶かします。これが洗浄用のシンクです。 もちろん、洗い物の汚れはキッチンペーパーでできるかぎり拭き取っておくのが前提です。

1つ目のシンクに洗い物を入れて、洗剤を溶かした水で洗います。こびりついた汚れがある場合は、スポンジなどでこすります。

十分に洗うことができたら、次に、2つ目のシンクで泡を流します。

2つ目のシンクで泡を洗い流したら、3つ目のシンクで再度ゆすぎます。最初に洗う食器は2つ目のシンクでゆすぐだけでOKですが、次の食器を洗うときに泡を流したシンクで作業することになるので、できればゆすぎは2ステップ用意したほうがいいそうです。


最後に、気になる方はアルコールの除菌スプレーなどを吹きかけて、さらに清潔にします。
ポイントは、2つ目のシンクでしっかりと泡などを洗い流してから3つ目のシンクでゆすぐことだそうです。3つ目のシンクはなるべくきれいな水を維持するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか? この方法であれば、少量の水を貯めておくだけで食器を洗うことができます。蛇口から水を流しながら洗うのは、かなり水を無駄に使っていることがよくわかりますよね。この方法であれば、テントサイト内でも食器洗いができるので、雨の日に炊事場に行き来しなくてもすみますね。 災害時にも役立つ食器の洗い方ですが、普段のキャンプやバーベキューでもぜひ取り入れてみてください。
また、この方法はあくまで簡易的な方法ですから、自宅に帰ってからキッチンでしっかりと再度洗うようにしましょう。 ちなみに筆者。キャンプでの洗い物は、よほどの残り物は捨てて、後は炊事場では洗わずにクーラーボックスかウォータージャグに入れて持って帰って家で洗っていました。案の定、次のキャンプまで洗うのを忘れてそのままにしていたことがあります。疎かにしていたキャンプでの洗い物、見直したいと思います。

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ソトレシピ編集部
キャンプ料理と日々向き合いながら、レシピやお役たち情報を発信しています。ぜひ、みなさまのキャンプの参考にしてください。

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