【2020年版】キャンプ料理トレンド調査発表!“映え離れ”からトレンドは“ジタンプ飯”へ
「ソトレシピ総研」とは
今回で3回目となりました。ソトレシピ総研のトレンド発表。2018年に映え重視の「脱アミ」が注目され、2019年には自然回帰・地産地消と、その背景に「物語性」や「映え」を求める流れがありましたが、2020年はどんなソトごはんトレンドがみられたでしょうか。 「ソトレシピ総研」とは
キャンプ料理レシピサイトである「ソトレシピ」のリサーチ部門です。今回の調査は2020年のアウトドア市場での食事トレンドを把握する目的で実施しました。今後も定期的に「キャンプ料理市場」に関するリサーチを行い、発表してまいります。
※調査結果を引用される場合は、必ず「ソトレシピ総研『キャンプ料理トレンド調査2020』」とご記載ください。また広告制作物等にご利用の場合はご相談ください。
1.“映え離れ”するキャンプ飯。トレンドは“ジタンプ飯”!?
『キャンプの中で最も時間を使うことは?』という質問に対して、約50%のキャンプ経験者が「料理」と回答しました。次いで約20%が「食事」と回答し、キャンプを楽しむ中で「料理」と「食事」の重要さが強調される結果となっています。
また、『キャンプ料理は「作るとき」と「食べるとき」どちらが好きですか?』という質問に対して約45%が「食べるとき」と回答しており、食べることそのものをより楽しみたいという傾向が明らかに。キャンプにおける“料理・食事”を充実させることが、キャンプの時間をより豊かにする重要な要素なようです(知ってる)。
『キャンプ料理で重視することをすべて選んでください。』という質問に対しては、約70%が「手軽さ(材料が少ない、工程が少ない)」と回答。加えて、約42%が「おいしさ」、さらに約40%が「シンプルさ」を重視すると回答。
一方で、昨今のキャンプブームをけん引したと思われる「写真映えするかどうか」といういわゆる“映え”要素への関心は約17%に留まった。このことから、直近のキャンプ料理におけるトレンドは“映え離れ”が進行しており、シンプルで手軽に調理できておいしい“時短飯”の要素をキャンプにも求める“ジタンプ飯”が主流になると思われます。
また、同様の質問を男女別で比較すると、女性のほうが“ジタンプ飯”をキャンプ飯に求める傾向が顕著にでており、「手軽さ(材料が少ない、工程が少ない)」「おいしさ」「シンプルさ」のすべての要素において男性を上回る結果に。男性は「ワイルドさ」「豪華さ(食材費が高い)」「複雑さ(材料が多い、工程が多い)」をより重視する傾向がいまだ強いようです。
2.実は“和キャンプ飯”が人気!さらに、20代で“キャンプ飯が多国籍化”現象も。
『よく作るキャンプ料理のジャンルをすべてお答えください。』という質問では1位「洋食」、2位「和食」、3位「イタリアン」という結果に。キャンプといえばバーベキューなどの肉料理や「カレーライス」や「ハンバーグ」などのダッチオーブンやスキレットとの相性の良い洋風の料理をイメージしがちですが、意外にも2位は「和食」でした。
『キャンプで作ったことがある和食メニューをお答えください』という質問に対しては、「肉じゃが」や「味噌汁」といった家庭でも定番の和食から、「すき焼き」や「うな丼」といった特別感ある和食メニューまで幅広いメニューがキャンプ場で調理されているようです。
さらに、よく作るキャンプ料理に関する質問において、20代の回答に特徴的な傾向がみられました。よく作るキャンプ料理として「和食」と回答した割合が最も多かったのは20代。また、20代では「中華」「フレンチ」「アジアン」「フレンチ」ジャンルの料理をよく作ると回答する割合がほかの世代に比べて特に高くなっており、若年キャンパーでは“キャンプ飯の多国籍化”現象が生じていることが明らかに。
3.“ソロキャン”の次は、“デュオキャンプ”が若年層を中心に人気上昇!?
『キャンプに行く人数として、最も当てはまるものをお答えください。』という質問に対して、最多の回答は「家族3人以上」が37.5%。やはりファミリーキャンパーが最も多い結果に。しかし、「ソロ」、「友人と2人」、「パートナーと2人」、「親子2人」などの1~2人でのキャンプを好む層を足し上げると、全体の約43%を占めることが明らかになり、実は半数近くが“デュオキャンパー”(32.8%)と“ソロキャンパー”(10.5%)でもあります。
さらに、年代別に比較するとソロキャンパーの割合が最も多いのは50代。一方で、今回の調査において最も若い世代の20代キャンパーの47%がデュオキャンプをよく行うと回答しています。ライフステージの変化に伴ってファミリーキャンパーの割合が高くなるのは必然ですが、さらにステージが進むとソロキャンプが増えていくというのはやや寂しいような気もしますね。
4.初心者にとってキャンプは「意外と忙しい」。キャンプ力向上のカギは“料理”
2019年にキャンプを始めたキャンプ初心者に対して『キャンプに興味を持った理由を教えてください。』と質問をしたところ、最も多かったのが「非日常を味わえそうだから」(46.7%)、次いで「外で食べる食事がおいしそうだから」(41.7%)、「アウトドアが好きだから」(30%)と続きました。
さらに、キャンプ初心者に対して『キャンプを体験した感想として当てはまるものをお答えください。』と質問をしたところ、約2人に1人が「予想通り忙しかった」「思ったよりも忙しかった」と回答し、キャンプを体験する前後における、キャンプのイメージへのギャップが出ているようです。
「アウトドアでおいしい料理を食べて非日常を味わいたい」という願いがありつつも、実は理想のキャンプを実現するための難しさを感じることが多いと感じる回答者が多数存在することが明らかになった。
全回答者を対象に『さらにキャンプの時間を充実させるために最も高めたいスキルを教えてください。』という質問を行ったところ、半数以上となる約57%のキャンパーが「料理」と回答。
キャンプ歴別の調査においても、2019年にキャンプを始めた初心者キャンパーもキャンプ歴10年以上の玄人キャンパーも同様にもっとも回答の割合が高かったのは「料理」でした!
キャンプ料理のスキルを高めることで充実したキャンプライフを過ごしたい、過ごすことができると考えている人が多いようですね。これをお助けするのがソトレシピの課題なんです!
5.キャンプの楽しみ方に限界はない!? 2020年は合わせ技による“ミックスキャンプ”に注目
現在のキャンプに関する満足度を測る質問に対しては「今も楽しいがさらに充実させたい」という回答が55.8%で半数を超えています。みなさん貪欲です。
特に20代は唯一60%を超えた世代であり、最もキャンプ意欲が高い世代であるといえます。「今のままで十分楽しい」という回答を加えると、キャンパーの80%以上がキャンプを楽しんでおり。キャンプブームがまだまだ衰えることなく盛り上がっている様子がうかがえますね。
『キャンプと合わせて楽しみたいことをすべて教えてください』という質問に対しては、1位「マリンスポーツ(サーフィン、SUP、カヤックなど)」(34.8%)、2位「釣り」(33.8%)、3位「海水浴」(32%)、4位「写真撮影」(30%)、5位「マウンテンスポーツ(マウンテンバイク、スキー、クライミングなど)」(28%)となっています。SUP人気、まだまだ根強いようですね!
世代別の比較においては、最もキャンプ意欲が旺盛な20代は「サウナ」への関心が高く、他の世代が10%台だったのに対して、37%の20代がキャンプとサウナを組み合わせて楽しみたいと回答しています。我々もまた「川とサウナとソトレシピ」がやりたい!
また「インドアゲーム(ボードゲーム、カードゲームなど)」「農業(収穫体験)」「合コン・婚活」「映画」「社員研修」といった回答もほかの世代と比べて高いですね。特に20代においては、これまでキャンプとの連想がしにくかった体験やライフスタイルとの“合わせ技”で新しいキャンプスタイルを楽しんだり、楽しもうとする傾向が強いようです。次代のキャンプ、何が流行るか読みきれません!
今回の調査結果からは、その進展を象徴するようなキャンプ料理トレンドとして、ファッション感覚ではなく実利を重視する“映え離れ”から“時短飯”への変化が明らかになりましたね。キャンプの豊かさはキャンプ料理・食の豊かさに結び付くといえる調査結果が出たように、料理・食という要素を充実させることがキャンプ体験全体を充実させることのあらわれです。
また、デュオキャンプ人口が約半数を占める現状には、年に1~2回イベント的に大勢でキャンプを楽しむレクリエーション型から、キャンプ・アウトドアを趣味とするパートナーと充実した時間を過ごすための趣味としてキャンプを楽しむ層が増えたことが背景にあるといえそうです。
2020年春、新型コロナウイルスの影響で外出を控えざるを得ない状況が続いています。この事態が収束した際には、アウトドアは様々な不安やストレスから人々を解放し、再び多くの人を笑顔にできる体験だと思っています。一刻でも早く社会に日常が戻り、アウトドア初心者の方からベテランキャンパーまで、全ての人が豊かな自然体験を楽しめることを願います。